SHOWA LEASING PROJECT #04リース会社でできる新事業ビジネス構築

金利ビジネスから事業投資へ
新たなスキームの開発で総合金融への道を拓く

PROJECT OVERVIEW

顧客のあらゆるニーズに対してスキーム(仕組み)を考えて金融ソリューションを提供する。消費者が願う、今あるものよりさらに充実したサービス。また、事業者が願う、今あるものより生産性の高い仕組み。リース会社の特徴を生かした、物件管理ノウハウの提供や、特殊な出資などを駆使して資金提供を行い、新事業の創造に向けてともにチャレンジする。

営業本部
(新事業・プロジェクトチーム)
2008年入社

國井洋平

日本の伝統的なものづくり、グローバルに活躍できる物流——國井は2つに絞って就職活動を進めていた。しかしあるとき昭和リースから「それはいずれもうちのお客さまだ」と聞かされて心が動いた。何かおもしろいことができそうだと思った。

“産業発展の担い手に”
その確かな手応えを得たエリア営業。

國井の最初の5年間は、大阪支店でのエリア営業だった。担当エリアは中小規模の製造業が多く集まる地域だ。着任から3年目に今でも記憶に残る仕事をした。あるガラス瓶用の金型メーカーが事業発展のためにどうしても新規の金型を入れたいという。顧客の財務状況からすると、國井は過大な投資計画ではないかと感じたが、事業再生の展望がその金型導入にかかっていることも分かった。「なんとかサポートできないか」——そう思って國井は改めて経営の見通しについて膝詰めで話し、工場に足を運んで稼働状況や雰囲気を肌で感じ、自分なりに市場の将来性を検討しながら一緒に事業計画を練った。慎重論のある自社内の説得も必要だ。そのために、顧客には負担となる取引条件を打診。断られるかとも思ったが、「将来の発展のためなら」と了承をもらえた。自社内の説得もうまくいき、なんとか契約の締結まで話を運んだ。「入社したときに先輩社員からは、“われわれは産業発展の担い手だ”と言われていたのですが、それを実感しました。この設備投資で顧客も勢いを取り戻しくれると思う。営業担当者としての自信にもなり、こういう仕事を続ければいいのだと思いました」。

作業船の設計から建造まで。
1件10億円規模の資金需要に応える。

入社6年目、國井は作業船を専門に扱うチームに異動した。日頃から「もっと大きな仕事がしたい」と夢を口にしていた國井にとっては願ってもない部署だった。作業船とは港湾工事や海洋土木工事に使う工事用船舶のことだ。陸上の建設用クレーンなどに比べれば人が目にすることが少ない地味な存在だが、新規の建造計画から進水までは時に数年を要し、費用も5億円から10億円と巨額だ。「設計に始まり、鋼材の購入、建造、運用とさまざまな段階があり、誰が発注して誰が所有するのか、いつどのような資金需要が発生するのか、それをどのようなスキームで用意するのか、非常に複雑です。そもそも作業船の価値をどう見積もるのかということが難しい。公開された中古市場もありません」と國井。しかし、その複雑さと分かりにくさが逆に國井の闘争心をかき立てた。「動かす金額も利益もいずれも大きい。新たな金融のスキームを工夫することも新鮮でした」。期間は2年間だったが、國井は新たに多くの学びを得たという。それから間もなくのことだ。新規事業の開発推進を担当するようにと辞令が出る。今度はどんなチャレンジができるのか、入社から7年間過ごした地元関西を離れて東京に飛んだ。

提供できるのは金利ビジネスだけではない。
顧客の事業に投資し、一緒に育てていく。

中堅・中小企業に強みをもつ総合リース会社として確固とした地位を占める昭和リース。しかし、長引く低金利や会計基準上のリース取引の扱いの変更など、リース事業を取り巻く環境は大きく変化している。顧客の事業支援にまで踏み込んだ「価値共創ビジネス」への転換が求められていた。新規事業の創出は、その先頭で道を拓く重要なミッションだ。しかし、スタートにはいつも困難がつきまとう。「インバウンドを意識した新たな宿泊事業の提案や、有望な事業の発掘などを進めたのですが、結局最後は設備資金のリースやファイナンスでの競争に巻き込まれてしまった。提案する事業は新しくても、やっていることは同じだったのです。これではだめだと思いました。いわゆるデットファイナンスで相手に負債をつくって手数料や金利収入を得るのではなく、事業そのものにわれわれが直接投資をして収益を上げていく、それが必要だと思っていました」。いったいどういう方策があるのか?

前例のない新たなスキームを構築し、
不動産ビジネスをバックアップする。

國井が注目したのは新規事業の検討で知り合ったあるベンチャー企業だった。“世界中のゲストの旅をもっと自由に”というコンセプトのもと、新しい都市型のカプセルホテルビジネスを展開しようとしている。当初は設備の供給という従来型の支援だったが、國井は事業そのものに出資する道を拓きたいと考えた。「当社が事業投資を実現するにはどうするか。グループ内外の不動産ファンドに詳しい人に徹底してヒアリングをしながらスキームを考えていきました。前例はありません。ひとつひとつクリアしてもまた壁にぶつかる。これは無理かと何度も思いました」。しかし諦めなかった。半年がかりで2つのSPC(匿名出資組合)を組み合わせるという昭和リースにとって初めてとなるスキームを構築。出資したSPCからの配当収入、カプセルホテル事業に興味のある事業者がいれば、将来的にその事業を譲渡することによる収益も見込める。ベンチャーとの共同事業としてスタートし、引き続き10案件、総額100億円規模の出店を進める予定だ。「総合金融へと脱皮を図る会社に貢献できたと同時に、自分の役割や価値は何かということを改めて知ることができました」と國井。得意分野にさらに磨きをかけながら、次の事業開拓へと向かう。